ブッダにも著作権あり

あるドキュメンタリーで、障害を持つ男の子が母親と文字盤を使ってコミュニケーションを取り、人生相談まで行っているというものを見ました。物議をかもしたドキュメンタリーで、いろいろと指摘できるところはあるのですがそれは全て置いておいて、メッセージ自体はとても素晴らしいものだと思いました。そしてそれはブッダの教えに酷似していると思いました。
ブッダの教えは素晴らしく、多くの人を救うと思います。だから多くの人がそれを繰り返し取り上げ、伝えてきました。セミナーなどで引用されることもあるし、私もそれを紹介したりしています。でもそのメッセージがブッダのものであるということは必ず明らかにしないといけないと思うのです。ブッダにも著作権がある、というのは優しい言い方で、厳しく言えば、誰かから教わったブッダの教えをあたかも自分の内側から出たように発し、教祖のように振舞って賞賛を得たり人を集めたりお金を稼ごうとしたりするのは詐欺的です。ブッダを利用して自分のエゴを満たす行為はブッダへの裏切りではないでしょうか。
と、偉そうに言ってみましたが、これは私を含む誰にでも起きうる失敗です。私たちが持つ知識はほとんどが誰かから教わったものです。そしてそれら全ての情報元を出しながら話すことなどできません。それに私たちは自分の知識は自分のものとして考えています。社会に広まっている一般的な事実は情報元を明らかにする必要はありません。ですからこの著作権の問題は難しいところがあるのですね。自戒を込めて。