アメリカでのアジア人差別をどう理解するか

カリフォルニア、テキサス、ニューヨークなど、アメリカでアジア人に対する暴力行為が増えてきているとニュースで見るたびに、いろいろと考えます。メラメラと怒りが湧いてくることもあります。でも、その怒りをアメリカ人全体や黒人全体や白人全体への嫌悪として処理すると、問題は解決しません。自分の中で怒りを燃やすと自分にとってマイナスの行為となります。心拍数が上がり、脳や心臓の血管に負担を与えるので、まず健康に悪いです。
ブッダの教えでは、怒りは毒であり愚かさです。法句経(ダンマパーダ)223 には 「怒らないことによって怒りにうち勝て 」という言葉もあります。
差別心から町で見知らぬ人を殴るというのは、普通ではない人です。そんな普通ではない人の悪い行いによって、善良な人も悪い評価を受けてしまいます。「これだからアメリカ人は…。」「これだから黒人は…。」「これだから白人は…。」という風に言われてしまうのです。このようなグループ分け、ステレオタイプもまた差別です。
これは人種の問題のように見えて、人種の問題ではありません。愚かな人と、優れた人と、優れた人になろうとしている普通の人の問題です。人間の愚かさの問題です。
もし、どうしても怒りが湧きおこってしまうというなら、善良なアメリカ人、善良な白人、善良な黒人、と思える人の顔写真を壁に貼ってみてはどうでしょうか。