経歴は盛っても良いのか

履歴書の書き方を習っている時に「経歴は盛っても良いんですよ!」「盛ってください!」と言われることがあります。また、年収を誇張して凄い人に見せようとしている人を実際に見ることもあります。学歴や経歴で嘘を書くことは経歴詐称という罪になりますからいけませんが、少し脚色するくらいのこともだめなのでしょうか。
ブッダの言葉に次のようなものがあります。
七十三
「愚かな者は、実にそぐわぬ虚しい尊敬を得ようと願うであろう。修行僧らのあいだでは上位を得ようとし、僧房にあっては権勢を得ようとし、他人の家に行っては供養を得ようと願うであろう。」
七十五
「一つは利得に達する道であり、他の一つは安らぎにいたる道である。ブッダの弟子である修行僧はことわりを知って、栄誉を喜ぶな。孤独の境地にはげめ。」
虚栄心は争いを生むうえ、成功への執着心によって安らぎを得ることができないというんですね。
この他にブッダは「嘘をついてはいけない」「自分を飾り立ててはいけない」とも言っています。このような言葉から、仏教的な視点で見ると経歴を誇張することはいけないということが分かります。経歴だけでなく、写真や英語力など、ついつい見栄を張ってしまいがちなところ、気を付けなければと思います。
自戒を込めて。
参考元:中村元『ブッダの真理のことば・感興のことば』(岩波文庫)(ダンマパーダ)