倒置法は何のため?

英語でも強調したい語を先に言うことがあります。そのため本来の語順が入れ替わっています。そのような倒置法を見たら「強調したいものがあるんだな」と考えると理解しやすいです。
その場合、助動詞(can, do, may, must, shall, willなど)やbe動詞を使って強調し、それらを前に持ってくることが多いのが特徴です。疑問文と同じでその時のメインの動詞は原形になります。完了形はhave(has)+過去分詞形です。
でも助動詞を使わずメインの動詞を移動させるものもあります。
倒置法1
疑問文。疑問文は一種の倒置法です。
・She sings. (彼女は歌います。)
・Does she sing?(彼女は歌いますか?)(助動詞doesが先頭に来ている。)
・They are working.(彼らは働いている。)
・Are they working? (彼らは働いていますか?)(be動詞が先頭に来ている。)
・Joe can swim. (ジョーは泳げる。)
・Can Joe swim? (ジョーは泳げますか?)(助動詞canが先頭に来ている。)
倒置法2
フォーマルな文章で、否定的な副詞(never, seldom, rarely, scarcely, hardly)が使われていて、さらに強調するためにそれが先頭に置かれた場合。
・Never have we witnessed such cruel behaviour. (= We have never witnessed such cruel behaviour.)そんな卑劣な行いを見たことは今までになかった。
・Seldom does one hear a politician say ‘sorry’. (= One seldom hears a politician say ‘sorry’. )政治家が「ごめんなさい」というのを聞いた人はめったにいない。
倒置法3
Notで始まりその後に「前置詞句」がくる場合。
・Not for a moment did I think I would be offered the job, so I was amazed when I got it. その仕事を貰えるとは少しも思っていなかったので、もらえた時には感激しました。
・Not till I got home did I realise my wallet was missing. 帰宅するまで財布を無くしていることに気が付きませんでした。
倒置法4
hereとthere。この2つの語が場所を表す副詞(動詞を修飾する)として使われていて、さらに強調したいとき、助動詞を使わないで動詞を前に持ってきます。動詞を原形にする必要がありません。
・Here comes the bus! バスがここに来たよ!
・Here‘s your coffee. あなたのコーヒーはここです(コーヒーをどうぞ)。
・I opened the door and there stood Michael, all covered in mud. ドアを開けるとそこに立っていたのはマイケルで、全身泥まみれでした。(全身泥まみれのマイケルでした。)
・I looked out and there was Pamela, walking with Tom. 外を見たらそこにいたのはパメラで、トムと一緒に歩いていました。(トムと歩いているパメラでした。)
参考元:Inversion, Cambridge Dictionary